別府


大分へと行ってきました。
あたくし、鹿児島県に住んでおるんですが、大分っつうとこは遠いですね。九州では一番遠いんではなかろうかといったところでしょうか。
熊本まで新幹線で行き、そこから九州横断特急という九州の山中をひたすら突っ切る特急電車に乗って大分まで行ってきたんですけど、4時間もかかる!前日は仕事で徹夜状態なのに乗り換えなんかあるもんだから寝るに寝られない。うっかり寝てしまったら博多の方まで行ってしまいそうなくらい疲れておりました。
眠気と戦いつつやっとこさ着いた大分。
僕が大分に住んでたのももういつの間にやら6年程前。大分駅は様変わりしていて、持ち前の方向音痴を発揮し、早速どっちに行けばいいのかよく分からなくなりました。

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私、何故こんなに面倒くさい思いをしてまで大分まで来たのかと言うと同窓会に参加する為でして、そしてその同窓会が云々言うとまた色々棘が立ちそうなので何も言わないでおきます。みんな元気そうにしててなにより。フットワークの軽さとスケジュールのスッカスカさだけが取り柄の僕はとりあえず何かしら誘われたら行くというスタンスを取っており、それにより金もないのに散財&不愉快な思いをする等というデメリットより何か楽しい事おこんねーかなといった日頃の他人頼りの受け身体質からくる軽い気持ちで「うん」と言っちゃうSAY YESマインドを持ち合わせてるわけなんですねー。
で、まあ1日目は大分市街地をぐるりと散策、母校の様子を眺める、良い感じのカフェーにてサブカル系書籍を読み読み、同窓会。などをして過ごしたわけなんですねー。

良い感じの古本屋兼カフェ。
カモシカ書店。

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私が遥々鹿児島からわざわざと大分へ来た理由が先ほどから申しておりました同窓会とは別に別府で開催中の「混浴温泉世界2015」という芸術祭的なあれに行きたいわ行きたいわと思ってたのです。この名前も怪しげでナイスなイベントはですね3年に一度別府で開催される現代芸術のフェスティバル、所謂、祭なんですねー。この祭、二ヶ月の間別府の街中いろんなとこでいろんな展示や催し物があって良い感じなんですねー。有名どころで言えば、大友良英のライブなんかもあったりしたり
このイベントの存在は前から知ってはいたものの前は何かしらの理由で行けなかったんですねー。つまり、今年はじめて行ったというわけなんですー。
雰囲気とか分からないし、1人で行ったものでちょっとした不安はありましたが、結果として行って良かったと思います。楽しかったです。
大分と別府は距離からするとそう遠くないのですが、大分では混浴温泉世界を全然アピールしてなくて何か大丈夫?とか思ったりしたんですけどね。
不精がたたり、予約が必要なものは予約が埋まってて行けなかったので予約なしでも行けるものに行ってきました。予約は前もってしてた方がいいね。確実にそっちの方が楽しめると思う。シルバーウィーク侮ってたよ。何とかならなかった。
で、まああれなんですな。大分では誰もが知ってるローカルデパートの「トキハ」の別府店の上の階でやってる常設展示的なやーつ、その名も「わくわく混浴デパート」という破廉恥極まりないイメクラと見紛う名称のアレに行ってきたんであります。エスカレーターで1階1階上がって行く道中の田舎デパート内部の風景に心の中ではホントにやってるのかよ…といった不安8割期待2割の心中でズンズンズンズンと思わず「ズンズン教だ!」と言いたくなるほど、我が物顔の糞人間が闊歩していき程なくしてお目当てのフロアに着いたのですが、like a 文化祭を思わせるハンドメイドの形をしていたので大丈夫かよ…メーターが振り切りそうになりながらも何とかその気持ちをゴクリと吞み込みここまで来て引き返せるかい、ドリャアと歩を進め作品が展示されてあろう元は飲食店であったような部屋に入りました。
あぁ、なるほど。成る程そういう事かい!と部屋に入って私の合点が合いました。ガッテンガッテンガッテンと心の中のガッテンボタンを押してしまった私、何故そう思ったかと言うと私が来てます「混浴温泉世界」という祭。その中の「わくわく混浴デパート」っつう意味が分かったんですね。部屋の中には雑然と様々な「アート作品」が展示されているわけなんです。そう、それは男も女も猿も人間も関係ねー!裸でみんなごった煮じゃい!といった混浴そのもの!なるほどなるほど!部屋には絵もあれば映像作品、オブジェやら何やら作品の雰囲気や意味、種類も関係なく雑然と展示されてる。スゲーぜ。スゲーぜ。面白いやんけ。私アートやら芸術の事は一切分からないのですが、こういったアートやら芸術とやらはスゲーだとか面白いだとか何だこりゃだとか何かしらの思わせたら勝ちなんじゃないのかなぁといったフワフワとした持論を持ち合わせているんで、これはもう勝ちですよ。一つ一つの面白さはそれぞれで違った物があり、中にはゴミかな?と思ってしまう物があったりなかったりしててよかったんですが、多種多様有象無象の魑魅魍魎世界が合わせてドーン!と僕の中に突き刺さり、何だか楽しいじゃないのといっあポジティブな感情が湧き上がってきたわけなんです。スマートフォンを駆使し、シャシャッと旅行写真を撮りたいのは山々だったのですが、流石に作品を撮っていいよーとかなんとか表記もなかったので、余計な波は立てないが信条の僕はニヤニヤしながら作品を堪能したんです。

代わりと言っちゃあなんですが、トキハの上の階から撮った別府の街並みの写真です。
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しょうもない人間なので魚眼レンズを用いて見にくくしてます。


わくわく混浴デパートを堪能した僕はもう一つの予約無しで入れる「別府永久劇場 恐怖の館」というお化け屋敷に入る事にしました。お化け屋敷に1人で来てる男、という時点でちょっと挫けそうになりましたが、わくわく混浴デパートで身に付けたやったれやったれ力を行使し、受付を済ませました。
この別府永久劇場っていうとこは元はストリップ劇場だったらしく、中のお化け屋敷もそれに合わせた物になってるみたいでした。街の中にストリップ劇場があったところに温泉街としてのアレを感じますね。
まあ、でも入る前はお化け屋敷ってお前っていう鼻で笑ってる部分が自分の中にもあったのですが、いざ中に入ってみると中は真っ暗。小型のペンライトを渡されたのですが、それがなければ全く何も見えなかったかもしれないほどの闇。闇の中にポーンと放られてみると物凄く怖い!怖い!ヤバい!いやーな汗が流れる中、ハナから飛ばしまくってて最後まで怖い怖いと叫びながら知らないお客さんにしがみつかれながら怖い怖い屋敷をなんとかクリアしたわけなんですねー。あんまり中身の事言うのはアレなんで言いませんが、芸術家の方とか関わってるだけあって何だか怖いだけじゃない不思議な気分になりました。お化け屋敷とアートと劇が合体した感じ。でも、超怖かったよ。知らないお客さん同士で共闘してる感じも良かったです。楽しかった!
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外観はこんな感じ。
これまたちょっと文化祭感あるけど、これが混浴温泉世界なのだ!これが良い。楽しい!

お化け屋敷で汗もかいたので、ここは別府!温泉ワンダーランド!普段は温泉嫌いな僕もやれやれ的な感じで「せっかく来たんだから、入ってやるか」と偉そうに誰も見てないのに1人でその感じを出しつつ良さげな温泉を探しました。
僕は旅行先の繁華街を昼間とかに闊歩するのが好きでよくそういったプレイを1人で楽しんでいるのですが、そんな中、風俗店に囲まれたいかにも歴史ある建物といった趣きの銭湯を発見!これは一丁試してみるかと料金を見てみると入浴料100円!安い!助かる!庶民の味方!だとか思ってましたが、石鹸やらなんやらはねーよタコといった旨の文が載ってて、結局一式揃えねーといけねーのか等とブー垂れてしまいました。風呂場はそう広くなく、水道も無く風呂釜からダイレクトに風呂桶でお湯を掬い取り、己にぶちまけ、さあ洗えといった自分が体験した事のないスタイルに少々困惑しながらも、これがオールドスクールって事か等と温泉、銭湯弱者の自分に言い聞かせ、適当にウラァと汗を流し、湯船に入水。わあ、こりゃこりゃ良い湯だ。湯船に浸かるのも恐らく数年ぶり日頃の風呂嫌いにつかシャワーのみの欧米かぶれのイエローモンキーがこの歴史を連ねてきた爺、子供、おっさん等々の垢やら下の毛の混じる歴史汁に浸かる事で失われかけた大和の心が戻りかけたところで暑くなってきたので早々と上がり、汗を流し湯上りのポカポカの呆けた顔そのままに引き連れ銭湯の外のベンチにて心地の良い風に当たって僕はこう思ったのであります。この幸福な時間も面倒臭さを乗り越えてこそ、こうやってこの時間を幸福に感じる自分は幸せなんだなぁ。なんて小さな幸せを感じていてなんだかかんだか起こる人生の嫌な出来事も乗り越えられるのかな。
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竹瓦温泉。産業遺産だとかなんとか。別府八湯のうちの一つだとか。

煩わしさや何やらは多少あるかもしれないけど、一丁入ってみたらそれはそれで良いものだよ。


馬鹿面下げてベンチで何もしないでボーっとしてたところ、辺りは薄暗くなってるじゃないか。こりゃあていへんだ!底辺だ!底辺だ!と実際のところは騒ぎ立てる必要もなく静かにノッソリと身体を起こし、ノソノソと行動を開始したところなんです。
そういやぁ、大通りに面した古そうな劇場にチラシが貼ってあったが、今日は七尾旅人のワンマンライブがそこであるのか。予約してないけど、折角なんだから行ってみたいなぁ。とか思って七尾旅人Twitterを見てみたら、「来た人全員入れるようにお願いしといた」という男前発言に惚れる人続出の男前マン。やったぜ!と会場のブルーバードに直行!
やっぱり入れたぜ!福岡に居た頃、七尾旅人うすた京介が一緒にやったライブに当日券求めて並んだけど、入れなかったという体験をしていたのでリベンジは果たしたなと思いましたよ。さてさて肝心のライブはワンマンでしかできない様な長尺の未発表真面目曲からアンコールのカラオケ、モノマネ、フットワークなど何でもござれの4時間半!凄く贅沢な時間をありがとうございました。ホントスゲー人だなぁと思った夜でした。
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ブルーバード劇場。
老舗感。座席が狭い。雰囲気が良い。何か良い感じの映画やってる。

と、長々と何が書きたいのかもよくわからないままダラダラ書きましたが、別府で3年に一度行われる「混浴温泉世界」、凄く良い感じなので、行きたい人一緒に行こーぜー!とレコメンド兄さんの今週のオススメのコーナーを締めさせていただきたいと思います。アディオス、アミーゴ!


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行列の出来るとり天屋さん、大分市街地にある「あんとれ」のとり天サイコロステーキ定食。並んだだけあってとり天もサイコロステーキも柔らかくて美味い!

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別府の隠れ名物、「別府冷麺」。
別府駅近くの「大陸ラーメン」で食べた冷麺。普通の冷麺より麺がゴム感薄かったかな。サラッと食えて美味しかった。

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別府のアーケード街を歩いていると突如として現れる「やよい天狗」。
なにやら文章が書いてあったが、読んでない。インパクト十分。

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別府駅前に堂々とある陽気なおじさんの像。マントには裸ん坊の子供がしがみついている。かなりアッパーな像。名前があったけど、忘れた。

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別府のランドマークタワー。その名も「別府タワー」。そのままの名称である。意外と小さい。塔に燦然と輝く「アサヒビール」の文字がここがアサヒビールの統治下であることを語っている。

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